暇人

散歩には衝動買いがつきもの。切っても切れない関係である。散歩の延長線上に衝動買いがあると言ってもいい。

 

 

 

 

散歩の際はいつも新しい出会いを期待する。散歩が性に合うのは、極端に狭い人間関係の中で生きているせいなのだろう。見知らぬ街をどきどきしながら散策するのもいいが、見知った街の思わぬ魅力をみつけた時もまた胸が躍る。

 

 

 

 

途中、無性に入りたくて仕方のなくなるお店に出会ってしまうことがある。オカルトは信じないが、こんな時にはなにやら引力めいたものを感じる。

 

 

 

先日は骨董屋に入った。とくに何か買おうと考えていたわけではない。が、すぐに一人用土鍋が目に入ってきた。こうなるともう結果なぞ分かりきっている。一応は脳内で買おうか買うまいか、形ばかりの押し問答を繰り広げるが、5分後には片手に土鍋、片手に財布を持ち会計していた

 

 

 

少しの後悔を胸に帰路に着く。しかしそんなことよりも、今や自分のものとなった素敵な戦利品がどのように日常を変えてくれるかへの期待が勝る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなことを友人に話すときまって「暇だね」と揶揄される。わたしもそう思う。そう思いつつ、現状にそこそこ満足してもいる。おそらくこの時間の過ごし方が持続可能な自分のご機嫌取り法であると感じているからだろう。

 

 

 

 

 

 

 

これからどれだけ忙しい日々を送ることになるとしても、定期的に「暇」な1日は送りたいものである。