自己中心的喫茶店考

人間は、好きなものであればあるほどこだわりを強める傾向にあると感じます。

 

一般的に恋人と長く付き合うほど相手の嫌なところが目につくと言われます。思うにそれは「好きな人にはこうであってほしい」という型に相手をキチキチと当てはめようとしてしまうからなのかもしれません。

 

    

 

 

 

 

 

 

 

知らんけど

 

 

 

 

 

わたしの場合は強くこだわりを持つものの一つに「喫茶店」があげられます。

 

 

 

 

幼少期から両親と買い物に行く際喫茶店で休憩をとるのが恒例となっていました。昔から喫茶店というものには馴染みが深いのです。

 

 

 

ただ、本格的に喫茶店を巡り始めたのは大学に入学してからでした。おそらく一人暮らしの寂しさを埋めるものを探していたのでしょうね。

 

 

 

 

 

今回は私が一人で黙々と喫茶店を巡る中で得たこだわりポイントを共有する記事です。とっても自己中心的なこだわりなので、繊細な方はここでUターンすることをお勧めします。

 

 

 

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①飲み終わった/食べ終わった食器をさげない

飲んだ後にすぐカップを下げられるのが嫌なのです。これは後にも通じる要素なのですが、喫茶店の珈琲が少々高くてもいいと思えるのは、美味しい珈琲を飲みたい以上にあの独特な空気を吸いにきてるから。なんなら溺れたくてきてる。珈琲代には「空気代」が含まれていると思ってるし、それで採算が取れないのなら上乗せしたって構わない。だからカップは帰るまで下げないでくれ。否が応でも現実に引き戻されてしまう。喫茶店の中の止まった時の流れにいつまでも身を委ねていたいのよ。(もちろん何時間も居座ってしまった場合には話は別でしょうが)

 

 

 

 

まあ早く洗っちゃいたいよね…コーヒーこびりつくとめんどくさいし…ごめんなさい…

 

カップに拘りが感じられる  

不思議なことに珈琲は飲み口の角度や厚みによって味が変わる。私が好きなのは末広がりのカップ。イメージは静嘉堂文庫美術館所蔵の油滴天目です。あれでお茶を飲んだらきっと素晴らしく美味しく感じるのだろう…

 

ただ、自分の好みに合っていなくても最悪いいんです。お店の拘りが感じられたらそれで。柄でも重さでもなんでもいい。店主のこだわりでぶん殴ってほしい。これが望みです。f:id:chestnut_yunana:20200918234246j:image

 

③客も空気の一部として溶け込んでいる

たまーにあるじゃないですか。スマホ禁止、おしゃべり禁止の喫茶店。あれがいいとは言えませんが、少しだけ共感できます。繰り返すように喫茶店では珈琲の味と同じくらい雰囲気が大事だと感じているので、その空間を構成するもの一つ一つが調和を保っていてほしい。客もまたしかり。おしゃべりがだめだとかスマホがだめだとか極端な話ではなく、例えば隣の席の人が大声で「昨日飲み過ぎたんよアッハッハ」なんて話してたら興醒めだし、スマホからガンガン音漏れしている人がいたらそそくさと飲み干して帰ってしまうでしょう。

 

ただこれは平たくいうと最低限のマナーってだけなんですよね。喫茶店に限る話ではない。

 

④トイレまで世界観が保たれている

これほーーーーーーーーーーーーんとに大事だと思ってる。せっかく店内がアンティーク調にまとめられていて、珈琲も美味しいのにトイレに入ったらむきだしの消臭力とかキレイキレイがおかれてたら一気に"醒める"。私はお店を出てしばらくしてもまだ夢の世界から醒めないような、ふわふわした気分を保ち続けていたいんです。喫茶店に足を踏み入れるその瞬間から、お店を出た時のこんな気分を期待しているのです。それがトイレの内装一つで台無しになってしまう。我ながら厄介な性格をしていると思うけど、譲れない部分です。

 

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細かいことをあげるとまだまだあるのですが、主にこの4つをお気に入りの喫茶店選びの指標にしています。自分にとって喫茶店はお金で買える現実逃避空間で、そうでありながらも今を生きる活力を与えてくれる場所です。大好きなものにはとことん拘る面倒な人間でい続けたいと思う今日この頃でした。

 

 

 

 

 

 

 

最後に、この本のリンクを貼っておきます。

名だたる作家たちが珈琲に関するこだわりを書き連ねている随筆集です。珍しく私が何度も読み返したいと思えた本でした。この本を一冊抱えて喫茶店に行くって考えるだけで、ちょっぴりキザだけど楽しい気分になれる。

日本の名随筆 (別巻3) 珈琲

日本の名随筆 (別巻3) 珈琲

  • 発売日: 1991/05/01
  • メディア: 単行本